今さら聞けない!アパレル業界のD2Cとは?ビジネス成功事例を紹介 (2021/07/12)
D2C(ディーツーシー)が最近アパレル業界で注目されていますが、ビジネスではBtoCやECなど似たような単語がたくさんあり、どれがどういう意味かよく分からないですよね。
D2Cとは、業者の仲介を挟まず、消費者と直接取引する販売方法のことを指します。 消費者と直接取引をすることにより、顧客情報を集めやすくなったり、ブランドのファン化をしやすくなったりするメリットがありますよ。
また海外の市場調査会社によると、今後5年でほぼ全員の消費者は何らかのD2Cブランドの商品を購入するそうです。 ますます需要が高まるD2Cについて、知らないことは大きな損失になり得ます。
加えて、アパレル業界のD2Cの成功事例も紹介します。 どのようなビジネスモデルを採用しているのか、成功の要因は何かを丁寧に解説します。 ぜひご一読ください。
D2Cとは?特徴を解説!
D2Cとは、Direct to Consumerの略で、業者の仲介を挟まず、消費者と直接取引する販売方法のことを指します。
従来のビジネスでは、企業が企業に対して行うビジネス形態であるBtoBモデルが主流でした。 BtoBだと、消費者からの認知度が低かったり、消費者から注目されにくかったりするというデメリットがあります。
D2Cの特徴は顧客と直接コミュニケーションを取って商品を販売することなので、消費者からの認知度や注目度は高くなりやすいです。
顧客に直接販売するメリットは他にもあります。 今回は2つ紹介します。
D2Cのメリット①顧客情報を集めやすい
1つ目のメリットは、どのような人がどれくらいの頻度で商品を買っているか、といった顧客情報を集められることです。
その結果、より顧客に合わせたサービスを提供することが可能となります。
D2Cのメリット②ブランドのファン化がしやすい
2つ目のメリットは、顧客との関係を密に築いていくことによって、ブランドのファン化をしやすいことです。
ブランドのファンになってもらえれば、商品購入後も関係性が続いていき、全体的な売り上げの向上につながりますよ。
BtoCやECとの違い
BtoCとEC、D2Cは、それぞれ、誰に対して行うビジネスか、どこで販売するビジネスか、どのように取引をするビジネスかといったように、表す意味が違います。
- BtoC Business to Customer→個人に対して行うビジネス(誰に対して行うビジネスか)
- EC Electronic Commerce→ネット上で販売するビジネス(どこで販売するか)
- D2C Direct to Consumer→消費者と直接取引するビジネス(どのように取引するか)
D2Cも企業が消費者に対して行うビジネスなので、BtoCです。 またD2Cが顧客と直接取引するために実店舗を介さないという意味では、ECでもあるといえます。
D2CがBtoCやECと異なる点は、BtoCやECは他社のメディアや他社の販売サイトを使用することもあるのに対して、D2Cは自社で企画から販売まで全てを完結させている点です。
アパレル業界のD2C企業の成功事例
ここまで、D2Cとは何かについて解説してきました。
D2Cとは業者の仲介を挟まず消費者と直接取引する販売方法でのことで、顧客情報を集めやすかったり、ブランドのファン化がしやすかったりするメリットがあります。
それではここからアパレル業界におけるD2C企業の成功事例を3つご紹介します。
アパレル業界でのD2Cビジネスに興味がある人はぜひ参考にしてみてください。
COHINA(コヒナ) cohina.net
COHINA(コヒナ)は、小柄な女性に向けて「低身長でも美しく着こなせるサイズの服」を専門的に扱うアパレルブランドです。
それでは、COHINA(コヒナ)の実績と成功理由をご紹介します。
COHINA(コヒナ)の実績
今アパレル業界で勢いのあるブランドのひとつであるCOHINA(コヒナ)は、人気女性誌「anan」や「mer」など多数メディアへ掲載された実績があります。
また、COHINA(コヒナ)は創業からわずか1年半で月商5,000万円を達成しており、アパレル業界のD2Cビジネスとして成功を収めているのです。
COHINA(コヒナ)の成功理由
COHINA(コヒナ)の成功の大きな理由のひとつとして、365日毎日インスタライブ配信を行っていることが挙げられます。
インスタライブにより、顧客が実物を手に取らなくても着用イメージを湧きやすくする、気軽に質問できてその場ですぐに返答が得られるようにする、などサイズ感を伝える工夫をしているのでしょう。
COHINA(コヒナ)の公式 Instagramアカウントのフォロワー数は約20万人おり、インスタ活用によって成功したD2Cブランドの事例といえます。
こちらがCOHINA(コヒナ)の Instagramのアカウントです。
COHINA(コヒナ)-155cm以下の小柄女性向けブランド- @cohina.official
ぜひチェックしてみてくださいね。
17kg(イチナナキログラム) 17kg.shop
17kgは、10代・20代女性向けのプチプラ韓国レディースファッションの通販サイトです。
それでは、17kgの実績と成功理由をご紹介します。
17kgの実績
17kgは、インスタ発の韓国ファッションブランドです。 そんな17kgのインスタアカウントのフォロワーは50万人を超えていることから、若い女性から絶大な支持を得ていることが伺えます。
また17kgは、2019年4月にはラフォーレ原宿に実店舗をオープンさせ、名実ともに有名ブランドとなりました。
17kgの成功理由
17kgの成功理由として、Instagramでの発信が考えられます。
17kgは、もともとインスタを軸にしたブランドとして作られました。 17kgの創業者は韓国系プチプラレディースファッションの販売路線にたどり着くまでに、約10ショップものインスタアカウントを立ち上げ、試行錯誤を繰り返してきたのです。
そしてInstagramでの発信活動を続けた結果、インフルエンサーによって17kgの魅力が少しずつ広まっていきました。
17kgも、インスタでの発信活動によって成功した事例といえます。
こちらが17kgのInstagramのアカウントです。
ぜひチェックしてみてくださいね。
ALL YOURS(オールユアーズ) allyours.jp
ALL YOURS(オールユアーズ)は、ファッション性やトレンドではなく、身につける道具として誰もが気持ちよく、そして長い期間着られる機能性を重視したアパレルブランドです。
それでは、 ALL YOURSの実績と成功理由をご紹介します。
ALL YOURS(オールユアーズ)の実績
ALL YOURSは、2018年5月から24ヶ月連続のクラウドファンディングで通算4,000人から約5,800万円分の支援を受けた実績があります。
また ALL YOURSは、日本のファッション業界で最も権威のある賞のひとつ「毎日ファッション大賞」にノミネートされ、ユーザーからの支持だけでなく、ファッション業界からの注目も集めているアパレルブランドです。
ALL YOURS(オールユアーズ)の成功理由
ALL YOURSの成功理由として考えられるのは、ブランドのファン化に注力したことだと考えられます。
ALL YOURSは、ブランドと顧客の関係を「1対1」の関係と捉え、顧客を「共犯者」と呼ぶコミュニティづくりを行っているのです。
ALL YOURSの代表によれば、顧客を「共犯者」と呼ぶコミュニティとは、顧客の意見を取り入れて服を作り、顧客自身が好きだと思ったものに対しての参加権を与えられるようなコミュニティだそうです。
ALL YOURSは顧客のことを第一に考え、ブランドに対するファンが増えたことにより成功した事例といえます。
まとめ
本記事では、D2Cとは何なのか、その特徴、BtoCやECとの違い、アパレル業界のD2Cの成功事例について解説してきました。
今、アパレル業界で注目を集めているD2Cとは、仲介を挟まずに顧客と直接取引をするビジネス形態のことです。
ぜひ本記事を参考に、アパレル業界のD2Cビジネスを学んでみてくださいね。